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シミュレーション事例

親の介護が始まったとき、家計はどこで効いてくるか

身構えられるのは初期費用ですが、家計に効いてくるのは毎月の負担の方です。しかも1年の試算には現れません。

親の介護が始まるとき、まず身構えるのは住宅改修や介護用品といった初期費用だと思います。

ただ、家計に効いてくるのは、たいていそちらではありません。

初期費用は、思ったほど響かない

手取り34万円、生活費22万円、貯金250万円。毎月9万円ずつ増えている家計を考えます。

ここで初期費用60万円を支払い、さらに介護に月5万円かかるようになったとします。

初期費用を払った直後の貯金は188万円まで落ちますが、月々の収支はまだプラス4万円あるので、その後は増えていきます。1年後には238万円まで戻る計算です。

まとまった出費はあったが、乗り切れる。ここまでならそう見えます。

ただし、生活防衛資金の下限も上がっています。生活費が27万円になったので、3ヶ月分の下限は66万円から81万円へ。同じ貯金でも、守るべき位置は前より高くなっています。

収入が減ると、符号が変わる

本当に効いてくるのは、通院の付き添いや手続きのために勤務時間を減らした場合です。

時短勤務で手取りが月5万円下がったとします。すると毎月の収支は、プラス4万円からマイナス1万円になります。

金額としては小さな変化です。ただ、プラスがマイナスになったという点で、意味がまったく違います。貯金は増えるのをやめて、毎月少しずつ減り始めます。

それでも、1年の試算には現れない

ここが厄介なところです。

収支がマイナスに転じても、1年後の貯金は178万円あります。下限の81万円までは、まだかなりの距離です。12ヶ月の試算だけを見れば「問題なし」に見えてしまいます

このまま月1万円ずつ減り続けると、下限に届くのはそこからさらに約8年後です。危機的ではありませんが、無視していい長さでもありません。

MiraiFlowの試算は12ヶ月を対象にしているので、こういう変化は期間内では「まだ余裕がある」という形でしか出てきません。

残高より先に、符号を見る

介護のように何年続くか分からない負担については、貯金の推移より先に、毎月の収支がプラスかマイナスかを確認してください。

プラスなら、期間が延びても構造は変わりません。マイナスなら、金額の大小にかかわらず、いつかは下限に届きます。

そして介護の可能性が見えた段階で確かめておきたいのは、この2つです。月々の負担がいくら増えると収支がマイナスに転じるか。勤務時間を減らすと収入がどれだけ下がるか。

分かっていれば、介護保険サービスの使い方や働き方を、「なんとなく不安だから避ける」ではなく具体的な条件で選べます。実際にかかる金額の目安については、介護保険は40歳から払い始めるが、使えるのは原則65歳からで扱っています。

この支出、実際にシミュレーションしてみる

金額を入れるだけで、使った場合の1年後の現金と生活防衛資金への影響が分かります。

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