20代後半になると、招待状が続く時期があります。断るという選択肢は基本的になく、日程も自分では選べません。しかも一件あたりの金額が大きい。
「この半年でいくら飛ぶんだろう」と考えて、途中で数えるのをやめた経験がある人もいると思います。実際に入れて計算すると、直感とはだいぶ違う結果になりました。
前提
28歳、一人暮らし、ボーナスなしの月給制とします。
- 手取り:月24万円
- 固定費(家賃・光熱費・通信費・サブスクなど):月11万円
- 変動費(食費・日用品・交際費など):月7万5千円
- つみたてNISA:月2万円
- 現在の預貯金:60万円
- 下回りたくない下限:生活費3ヶ月分の55万5千円
生活費は合計で月18万5千円。手取りから生活費と積立を引くと、毎月3万5千円ずつ現金が増えていく計算です。
この状態で、結婚式の予定を入れる前の「自由に使えるお金」は8万円でした。
結婚式を4回入れる
半年のあいだに、こういう並びになったとします。
- 10月:5万円(ご祝儀3万+二次会1万+美容1万)
- 11月:4万円(ご祝儀3万+二次会1万)
- 1月:7万円(遠方のためご祝儀3万+交通・宿泊4万)
- 2月:5万円(ご祝儀3万+二次会1万+服1万)
合計21万円。預貯金60万円に対して3分の1を超える額です。数字だけ見ると、かなり削られる印象があります。
実際に減ったのは3万5千円
この4件を予定に入れて計算すると、自由に使えるお金は8万円から4万5千円になりました。減ったのは3万5千円です。
21万円出ていくのに、なぜ3万5千円で済むのか。残高の動きを追うと分かります。
9月に63万5千円あった残高は、5万円を払った10月に62万円、4万円を払った11月に61万5千円。支出のない12月は65万円まで戻り、7万円の遠征があった1月に61万5千円、最後の5万円を払った2月に60万円。そして3月には63万5千円に戻ります。
毎月3万5千円ずつ回復するので、支出があっても残高は大きく落ちません。10月に5万円払っても、その月に3万5千円入ってくるので、実際の目減りは1万5千円です。次の月も同じことが起きます。出費と回復が交互に来るため、谷が深くなる前に埋め戻されているわけです。
いちばん残高が薄くなるのは2月の60万円。下限の55万5千円までは4万5千円の余裕があります。これが、結婚式を全部織り込んだうえでの「自由に使えるお金」です。
総額と、判断に効く金額は別物
ここで起きているのは、21万円が消えたわけではない、ということではありません。21万円は確かに出ていきます。
ただ、「いま新たに何か使えるか」という判断に効いてくるのは、総額ではなく谷の深さのほうだということです。1年のうちいちばん残高が薄くなる時点が、下限をどれだけ上回っているか。それだけが、追加で使える金額を決めます。
だから、21万円という総額を見て「今年はもう何もできない」と考えるのは、実態より厳しい見積もりになります。実際には4万5千円ぶんの余地が残っています。
逆に、短期間に集中すると効く
ただしこれは、支出が分散していた場合の話です。同じ21万円でも、1ヶ月に集中すると結果は変わります。
たとえば4件がすべて同じ月に重なると、その月だけで21万円が抜けます。回復は3万5千円しかないので、残高は一気に落ち込み、谷が深くなります。総額が同じでも、間隔が空いているかどうかで結論は変わるということです。
招待状が届いた時点で日程はもう決まっているので、間隔は自分では選べません。ただ、それが分散しているのか集中しているのかを先に知っておけば、身構えるべき時期はひとつに絞れます。
数えるのをやめる前に
この種の出費がつらいのは、金額そのものよりも、終わりが見えないまま次が来ることだと思います。「あと何回あるんだろう」「これでいくらになったんだろう」という状態が続く。
分かっている予定を全部入れてしまえば、少なくともその範囲では見通しが立ちます。結果として余裕があると分かることもあれば、特定の月が厳しいと分かることもあります。どちらにしても、数えるのをやめて漠然と重く感じているよりは、扱いやすい状態です。