「手取りの2割は貯金しましょう」「20代なら1割から」。よく見かける目安ですが、この数字がどこから来たのかを説明したものは、あまり見かけません。
実際のところ、万人に当てはまる割合はありません。家賃が高い地域に住んでいる人と実家暮らしの人で、同じ2割が妥当なはずがないからです。
「いくら貯めるか」より「何のために」が先
割合で決めようとすると答えが出ないのは、目的が抜けているからです。貯金は、それ自体が目的ではなく、何かのための手段です。
そして最初の目的ははっきりしています。収入が止まったときに、生活が続けられることです。
そのために必要な金額は計算できます。生活費の3ヶ月分、あるいは6ヶ月分。生活費が月20万円なら、3ヶ月分で60万円です。これが最初の目標になります。
下限に届くまでは、貯められるだけ
現在の貯金が、この金額に届いていない場合。答えは単純です。貯められるだけ貯めることになります。
たとえば貯金が30万円で、下限が60万円だとします。手取り25万円、生活費20万円で、毎月5万円が残る家計なら、5ヶ月ほどで60万円に届く計算です。
この期間は、旅行や大きな買い物を我慢すべきかというと、必ずしもそうではありません。ただ、この状態では自由に使えるお金は0円と表示されます。下限を下回っているので、使える余地がまだない、ということです。
裏を返せば、この5ヶ月がひとつの区切りになります。何ヶ月耐えれば状況が変わるのかが分かるだけで、我慢の見通しは立てやすくなります。
下限を超えたら、割合の問題ではなくなる
貯金が下限を超えると、話が変わります。
そこから先の貯金は、「収入が止まったときのため」ではなく、具体的な予定のためのものになります。数年後の引っ越し、車の買い替え、結婚。目的があるなら、必要な金額と時期から逆算できます。
「◯年後に◯万円必要だから、月◯万円」。これなら根拠のある数字になります。目的がまだないなら、無理に決めなくても構いません。
割合の目安を使うなら、出発点として
とはいえ、何も基準がないと動き出しにくいのも確かです。その場合、割合の目安を出発点として使うのは悪くありません。
大事なのは、それを一度計算し直すことです。手取りの2割を貯めてみて、それが下限に届くまで何ヶ月かかるのか。予定している支出と両立するのか。確認した結果、2割では足りないと分かることもあれば、そこまで必要ないと分かることもあります。
どちらにしても、他人向けに作られた割合を使い続けるより、自分の数字で出した金額の方が納得して続けられます。