二人で暮らしていて、それぞれに収入がある場合。家計をひとつにまとめて見るべきか、別々に管理すべきか。これは最初に迷うところだと思います。
結論としては、支出は合算、収入リスクは別々に考えるのが分かりやすいと思います。
生活費は、分けようがない
家賃も光熱費も、二人で使っている以上、きれいに分けることはできません。「家賃は自分が払っているから、これは自分の支出」と分けても、実態を表していません。
そのため、生活費は世帯全体でまとめて把握する方が正確です。家賃、食費、光熱費、通信費。誰の口座から出ているかは、いったん脇に置いて構いません。
生活防衛資金の下限も、この世帯の生活費をもとに計算します。二人分の生活費が月35万円なら、3ヶ月分で105万円。片方だけの生活費で計算すると、実際に必要な金額を大きく下回ってしまいます。
収入は、止まり方が別々
一方、収入の方は事情が違います。
二人分の収入を合算すると、世帯としては余裕があるように見えます。ただ、収入が止まるとき、たいていは片方だけが止まります。二人同時に働けなくなる可能性は、片方が働けなくなる可能性よりずっと低いからです。
つまり、確認すべきなのは「二人分の収入で生活が回るか」ではなく、**「片方の収入だけになったとき、どうなるか」**です。
これは合算した数字を見ているだけでは分かりません。試算するときは、一度どちらか一方の収入をゼロにして計算してみてください。それでも生活防衛資金の下限を割らずにいられるか。割るなら、何ヶ月後か。
片方の収入に依存しているかが分かる
この計算をすると、家計の性質がはっきりします。
片方の収入だけでも生活費をまかなえるなら、その家計はかなり頑丈です。もう一方の収入は、貯蓄や投資、余裕のための支出に回せる部分ということになります。
逆に、二人分の収入がないと生活費に届かない場合、これはどちらか一方でも欠けると成り立たない家計です。悪いことではありませんが、その前提で生活防衛資金を厚めにしておく必要があります。
住宅ローンや保育料など、大きな固定費を決める場面では、この確認が特に効きます。二人分の収入を前提に組んだ返済額は、片方が働けなくなった瞬間に重くなります。
管理の方法は、好きにしてよい
なお、ここまでは「どう把握するか」の話であって、「どう管理するか」は別の問題です。
共通の口座を作る、生活費を折半する、収入に応じて負担割合を変える。どの方法でも構いませんし、二人が納得しているならそれが正解です。
ただ、管理方法がどうであれ、全体を一度合算して見る機会は作っておいた方がよいと思います。それぞれが自分の分だけを見ていると、世帯としてどうなっているのかを誰も把握していない、という状態になりがちです。
年に一度、二人で数字を出し合って一緒に確認する。それだけでも、片方の収入が止まったときに何が起きるかを、事前に共有しておけます。