口座残高を見て、「これだけあるから大丈夫かな」と考えたことはないでしょうか。
残念ながら、残高だけでは判断できません。そのお金には、これから出ていく予定の分が混ざっているからです。
残高から3つを引く
いま口座にあるお金のうち、自由に使える分を知るには、3つを引く必要があります。
1つめは、これから出ていく生活費です。 家賃も食費も光熱費も、来月以降ずっと発生します。今の残高は、それを払う前の金額です。
2つめは、予定している大きな支出です。 半年後の旅行、来年の更新料、車検。まだ払っていないだけで、出ていくことは決まっています。
3つめは、下回りたくない下限です。 収入が止まったときに数ヶ月しのぐためのお金で、生活防衛資金と呼ばれます。これは「あるはずのお金」ではなく「使わないと決めておくお金」です。
この3つを引いて残った分が、いま自由に使えるお金です。
実際に計算してみる
たとえば、こんな状況だとします。
口座に80万円。手取りは月25万円で、生活費は月20万円。毎月5万円ずつ増えていく計算です。そして「収入が止まっても3ヶ月はしのげるようにしたい」と考え、下限を生活費3ヶ月分の60万円に決めたとします。
このとき、自由に使えるお金は25万円になります。
80万円から60万円を引いた20万円ではありません。今後1年のあいだ、毎月5万円ずつ増えていくことも計算に入るためです。1年を通していちばん残高が少なくなる時点でも、下限の60万円を割らずにいられる。その範囲での上限が25万円、ということです。
予定を入れると、答えが変わる
ここで、5ヶ月後に40万円の旅行を予定に入れてみます。
すると、自由に使えるお金は25万円から10万円に下がります。
理由は、いちばん苦しい月が変わったからです。旅行がなければ残高は増え続けるだけでしたが、旅行の翌月には70万円まで落ち込みます。下限の60万円まで、あと10万円しかありません。
つまり「いくら使っていいか」は、今の残高ではなく、これから1年のうちいちばん薄くなる時点で決まります。
感覚で決めなくてよくなる
この計算の良いところは、「使う」も「使わない」も理由を持てることです。
10万円と分かれば、5万円の買い物は問題ないと分かります。20万円のものが欲しければ、諦めるか、旅行の予算を見直すか、時期をずらすか、選択肢が具体的になります。
大きな買い物の前になんとなく不安になるのは、この計算をしていないからであることが多いです。金額を増やさなくても、計算するだけで判断はしやすくなります。