独立を考えるとき、いちばん不安なのは収入が安定するまでの期間だと思います。固定給がなくなり、案件を取りながら少しずつ積み上げていく時期です。
この助走期間を乗り切れるかどうかは、感覚ではなく計算で確認できます。
収入が立ち上がるまでの底を見る
貯金200万円、生活費が月22万円。生活防衛資金の下限は66万円という状態で独立するとします。
独立後の収入は、最初の3ヶ月が月10万円、次の3ヶ月が月20万円、7ヶ月目から月30万円まで回復する見込みとしましょう。
最初の6ヶ月は収入が生活費に届かないので、貯金は減り続けます。いちばん低くなるのは6ヶ月目で、140万円。下限の66万円までは、まだ74万円の余裕があります。
7ヶ月目以降は収入が生活費を上回り、貯金は増加に転じます。この前提なら、乗り切れる計算です。
用意しておく金額は、2つの足し算
独立前に確保しておきたい現金は、次の2つを足したものになります。
ひとつは、収入が生活費に届かない期間の不足額の合計。今回なら6ヶ月分です。もうひとつは、生活防衛資金そのもの。助走期間を抜けた後も、この分は残っている必要があります。
助走期間の赤字を埋めるだけの貯金では足りません。抜けた時点で下限を割っていては、独立できても落ち着けないからです。
変わるのは、たいてい期間の方
この試算でいちばん動きやすいのは、収入の金額ではなく回復までの期間です。
7ヶ月で戻る前提が、案件獲得の遅れで10ヶ月、12ヶ月と延びることは十分あります。そして必要な現金は、期間が延びた分だけ増えます。
だから独立を検討する段階では、想定どおりのシナリオだけでなく、回復が遅れたシナリオでも下限を割らないかを確認しておくと安心です。それが確認できていれば、独立の時期を「なんとなく不安だから先延ばし」ではなく、条件で決められます。
なお、独立すると社会保険の負担も自分持ちになります。退職後の健康保険と国民年金の保険料を生活費に含めておかないと、この試算は楽観的に出ます。