病気やケガで働けなくなったとき、あるいは会社を辞めたとき、頼れる公的な制度として傷病手当金や失業給付(雇用保険の基本手当)があります。ただ、これらの制度を語るとき、「いくらもらえるか」ばかりに注目が集まり、「いつから振り込まれるのか」があまり意識されていません。生活防衛資金の観点では、実はこの「いつ」の方が重要です。
もらえる金額は、だいたい今の6〜8割
傷病手当金は、標準報酬日額のおよそ3分の2が、最長1年6ヶ月支給されます。失業給付は、退職前の賃金のおおむね5〜8割程度(年齢や賃金水準によって変動)が、一定期間支給されます。どちらも「全額」ではなく、収入が目減りすることは前提として押さえておく必要があります。
見落とされがちなのは「振り込まれるまでの空白期間」
傷病手当金は、休み始めてから連続する3日間の待期期間があり、実際に支給されるのはその後からです。さらに申請から初回の振込までにも数週間かかることが一般的です。
失業給付はもっと期間が長くなりがちです。自己都合退職の場合、7日間の待期期間に加えて、原則として2ヶ月間の給付制限が課されます(会社都合退職の場合はこの給付制限がありません)。つまり、自己都合で退職した場合、退職してから実際にお金が振り込まれるまで、2〜3ヶ月ほど無収入の期間が発生する可能性があるということです。
生活防衛資金は、この空白期間をカバーするためにある
この「制度はあるのに、まだお金が入ってこない期間」を乗り切るのが、まさに生活防衛資金の役割です。傷病手当金や失業給付をあてにするとしても、それが実際に振り込まれるまでの2〜3ヶ月分は、手元の現金でしのぐ必要があります。
退職や休職を考えている場合は、「制度があるから大丈夫」で終わらせず、給付が始まるまでの期間の生活費を、現在の現金残高でカバーできるかを事前に確認しておくと安心です。