転職した年や、会社を辞めて収入が下がった年に、「今の収入はそんなに多くないのに、住民税の請求額が想像以上に大きい」と驚いた経験はないでしょうか。これは制度の欠陥ではなく、住民税の計算の仕組みそのものが原因です。
住民税は「前年の所得」に対してかかる税金
所得税がその年の所得に対してその年のうちに(給与から都度)源泉徴収されるのに対し、住民税は前年1年間の所得を基準にして、翌年度分として課税されるという仕組みになっています。
会社員の場合、毎年6月に金額が改定され、そこから翌年5月まで、給与から天引きされる形で納めていくのが一般的です。つまり、今まさに給与から天引きされている住民税は、去年の所得にもとづいて計算されたものだということです。
だから「今の収入」と「今の住民税」がずれる
このタイムラグがあるために、次のようなことが起こります。
- 前年に収入が高かった人が転職・退職して収入が下がった場合、今の収入が低くても、去年の所得を基準にした住民税の負担は変わらず続く
- 逆に、今年から収入が上がった人は、その分の住民税負担が始まるのは翌年度から
特に退職直後は、収入が下がっているタイミングで、去年の(収入が高かった時期の)住民税を普通徴収(自分で納付書を使って支払う形)で請求されることがあり、「聞いていた額と違う」と感じやすいポイントです。
収入が変わる予定があるなら、翌年分まで見込んでおく
転職や退職、収入が大きく変わるタイミングでは、今の手取りだけでなく、去年の所得を基準にした住民税の負担が、今後1年ほど続くことを踏まえて資金繰りを考えておくと安心です。特に収入が下がるタイミングでは、この分を見落として資金繰りが厳しくなるケースもあるため、事前に見込んでおくことをおすすめします。