「ハワイに行きたいけど、40万円使って本当に大丈夫かな」
そんな風に、旅行や大きな買い物の前に不安になったことはありませんか。貯金は増えているはずなのに、いざ大きな金額を使おうとすると急に自信がなくなる。これは特別なことではなく、多くの人が同じところで立ち止まります。
「収入 − 支出」だけでは判断できない
家計簿アプリで収支を見ていると、月々の収支はプラスになっているのに、それでも不安が消えないことがあります。理由はシンプルで、今月の収支だけを見ていても、半年後・1年後に何が起きるかは分からないからです。
ボーナスの時期、来年の更新月、急な出費。そうした未来の予定を織り込まずに「今の貯金額」だけを見て判断すると、実際より慎重になりすぎたり、逆に踏み込みすぎたりします。
具体的な数字で見てみる
仮に、こんな状況だったとします。
- 手取り月収: 28万円
- 現金の貯蓄: 72万円
- NISA積立: 月5万円
- 固定費・生活費: 月18万円
- 最低ラインの目安: 生活費2ヶ月分(36万円)
旅行の金額は、実際の相場を踏まえて決めました。2026年時点のハワイ旅行の費用は、円安や燃油サーチャージの影響もあって1人あたり30万〜50万円ほどが目安と言われています。今回はその中間をとって、40万円で試算してみます。
このままいくと、毎月の収支は「28万円 − 18万円 − 5万円 = 5万円」のプラスです。ここに「40万円のハワイ旅行」を今月中に予定しているとします。
この条件で12か月分シミュレーションすると、旅行をした直後の現金は37万円まで下がります。最低ラインの36万円まで、あと1万円というかなりギリギリの水準です。それでも下回ることはなく、そこからは毎月5万円ずつ回復していき、1年後の現金は92万円まで戻ります。旅行前の72万円より増えていて、しかも最低ラインを一度も割り込むことなく1年を終えられる、という結果になります。
つまりこのケースでは、「今月の収支が黒字だから何となく大丈夫」ではなく、「一時的にかなり際どいところまで下がっても、決めておいた最低ラインを一度も割らずに乗り切れる」という根拠を持って、「ギリギリだけど大丈夫」と言えることになります。
「今使っていいお金」という考え方
大事なのは、これは「もっと節約すべき」「もっと貯めるべき」という話ではないということです。将来の予定と最低限確保しておきたい金額を踏まえた上で、今使っても問題ない金額がいくらなのかを先に知っておく。それだけで、旅行に行くかどうかの判断はずいぶん楽になります。
使うこと自体は悪いことではありません。今しかできない経験に使うお金と、将来のためのお金を、両方大事にできればそれでいいはずです。